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Channel: 不惑の「芸術鑑賞日記」
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名古屋フィルハーモニー交響楽団 第369回定期演奏会「バーゼル」

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5月の名古屋フィルの定期は、14日と15日。

本当ならば、14日の金曜日に行く予定であるが、今回は仕事の都合で、15日の土曜日に。
今回は、家族そろって名古屋に出かけました。
妻と長男もクラシック鑑賞につきあわせました。
ほかにもう二人男の子がいるのですが、託児所で遊ばせておりました。
(一人につき1000円の託児料金は、ありがたい限りです、開演前から終演まで面倒を見てくれます)。

いつもこの時期は、妻の誕生日近くで、Jポップのコンサートに行くのですが、
今回は、残念ながらJポップで私も好きそうな歌手がおらず…。

プログラム:
オネゲル:交響曲第4番『バーゼルの喜び』
ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調(ピアノ 北村朋幹)
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ニ短調 作品47

今回のプログラムの目玉商品は、なんといっても「ショスタコーヴィチの5番」。
吹奏楽からクラシックは入った私にとっては、ショスタコ5番といえば、終楽章。
金管楽器が勇壮な旋律を吹奏する曲ですね。大変に有名な曲ですね。

バーンスタインとニューヨークフィル(東京ライブ)の演奏をLPで擦り切れるほどに聴きましたが、
あの演奏からすでに30年も経っているのですね。時の経つのは、早いです。

中学の時には、三楽章は眠くなるほどにつまらないと思っていたものですが、
30年後の現在では、三楽章も聴きどころはたっぷりの充実した音楽に思えきました。
年とともに、クラシック音楽はじっくりと味わえるようになってきた、そんな気がします。

さて、前置きが長くなりました。
ショスタコーヴィチの5番は、私の大好きな曲の1つでありますが、
未だに生演奏は聴いたことがありませんでした。

今回の名フィルの演奏を聴いて、
「ああ、なんてショスタコーヴィチはいい曲を書くんだ」と思いましたね。
「やはり、これはフィッシャーさんがショスタコを大の得意としているからだ」と。

すばらしい!!!
今回のショスタコの演奏では、何度も背筋がぶるぶるっと震えるような感動を覚えました。
フィッシャーさんが指揮されたからでしょうか、
このたびたび聴いてきた曲が「新鮮」「斬新」に思えました。

細かいミス、そんなもん関係ないように感じましたね。
弦楽器のピッチのずれ、コンマス氏のミス
どうでもいいやん、そんなもん。って気にさせられた大熱演でした。

フィッシャーさんが初めて名フィルを振ったのが、ショスタコの交響曲を中心としたプログラム。
その一度の出会いから、常任指揮者依頼に繋がったというから、
見事な演奏をするのも当然かもしれません。

指揮者の意図をよく飲み込みながら、演奏する名古屋フィルがおり、一体感が強く出ていましたね。

フィッシャー氏の相変わらず「贅肉をそぎおとすような弦楽器の切れ味鋭い音だし」
寒い地方の作曲家を髣髴とさせるようなヒンヤリとした弦楽器の響きの美しいこと、
ビブラートを極力控えた奏法も、
大変効果的にショスタコーヴィチの世界を描き出していたように思えます。

その前の北村朋幹さんのピアノによる「ラヴェル:ピアノコンチェルト」は、
とても楽しい曲。客席一番前のあるおっさんも、足でリズムをとりながら聴いていましたが、
ガーシュインの音楽などを思わせるような軽快で、洒落た音楽。
北村さんは、昨年の定期に続く登場ですが、前回のモーツァルトのコンチェルトよりも
こちらのほうが自由度が高い伸びやかな演奏のように感じました。

まだまだ19歳。東京藝術大学に入学されたばかりというではないですか、
のちのちが楽しみな地元の名ピアニストです。
昨年の演奏よりも拍手は大きかったように感じました。

ただ、相変わらずそっけないステージマナーです。
お辞儀をすると、そそくさと引き上げてしまうんですね。
もう少し、観客に顔を十分に見せてからお辞儀するといいと思うのですが…。
だれか…本人に言ってあげてくださいよ。
なんでしょう、照れてしまうのでしょうかね。これも「プロらしく」してほしい。

最初のオネゲル作曲の曲は、どなたも書かれているように、私もきれいなんだけど
どこかつかみどころがないなあという印象。
眠りを誘うような音楽で、気持ちいいなあって感じさせるものでした。
ショスタコの大音響の前に比較的小編成の曲をもってくる
フィッシャー氏の選曲はいつもながらうまい。

いいことばかり書いてきたみたいだが、ちょっと気になったのが管楽器群のメンバー。
ファゴットのシャシコフさん、クラリネットの井上さんがいなかったのは、なぜでしょう?
トランペットねえ、名フィルから退団と書いてあった藤島さんが、フル出場?
メインの部分をトラ頼み(元団員とはいえ)でよいのでしょうか?
クラ2、ペット1しかメンバーがいないのは、大丈夫なのでしょうか?

帰りに、トロンボーンの藤澤さんを駐車場で見かけるも、声をかけられず。
うーん、一昨年前の「ボレロのミス」がねえ。もし、それが見事なソロだったら、
「藤澤さん、サインお願いします」となったかも。

サントリーホールでの東京公演も、いろんな方のブログを見ると好評だった様子。
定期会員として、鼻が高いなあ。

この日は、振替でチケットをとったため、座席は再びステージ左のサイド席。
今回は、フィッシャーさんの表情をじっくり見られて良かったかもしれません。

あ、そう、この日の開演は16時なんですが、私15時と間違って記憶しており、
到着したときは、まだ開場前の14時40分。
約1時間ほど、オアシス21で、買い物や喫茶して過ごしました。
子供も喜んでいたし、まあいいかという感じでした。

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