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Channel: 不惑の「芸術鑑賞日記」
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名古屋フィル 新シーズンはじまる

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名古屋フィルハーモニー交響楽団の新シーズンプログラムが始まりました。
今シーズンは、「都市と音楽」シリーズとのこと。
常任指揮者ティエリー・フィッシャーさんが就任してから3年目になりますが、
今シーズンは、今までに比べて一般的によく知られた楽曲が選択されていますね。
肩肘張って聴くことがなくなるものの、新鮮な驚きが少なくなるのはちょっと寂しいようにも思えます。
 
第1シーズンでは、「ツァラトウストラ」で選曲に度肝を抜かれ、続く「四季」シリーズでは、指揮者、ソリストに
大変興味が沸きという感じでした。さて、今回はどうかというと、名曲シリーズという趣が強いです。
この不景気の中、観客動員に気をもんだせいだということでしょうか。
 
その際たるものが、4月の超人気指揮者のコバケンこと小林研一郎さんの起用でしょう。
しかも、チェコ本場でもコバケンさんの評価の高いスメタナ作曲の「わが祖国」。
 
定期会員になって3年目。
すでに、毎月1度は、名フィルの演奏会に行かないと気がすまないという半ば習慣化してしまった感じ。
それほど名フィルの定期演奏会に行くのは楽しみとなっています。
 
さて、4月の演奏会は、4月16日、17日なんですが、
毎度金曜日の夜に行くことにしていますので、私は16日。
 
今シーズンのマイシートは、今までのステージ近くのシートを捨てて、3階席にしました。
やはり、ステージのサイドや、指揮者の正面では、音の聴こえ方が不自然ですからね。
3階席は、演奏者の表情は捉えにくいのですが、音はバランスよく聴こえると思うのです。
 
その3階席、通常の定期演奏会ですと、空席が目立つのですが、今日はほとんどが埋まった状態。
やはり、コバケンさんの人気ゆえなんでしょう。観客の熱気もただならぬものが感じられます。
 
コバケンさんは、4月9日に70歳のお誕生日を迎えられたということで、古希ってことですね。
花束を贈られていましたが、まさしく指揮者自らの渾身のタクトで、
自らの誕生日を祝うような演奏だったと思います。
 
民俗舞踊的なところは、時に荒々しく、時に軽やかに、音の粒立ちもよく、
クラリネットのソロの井上さんも美しく歌い上げていて見事でしたし、
ホルンの安土さんのソロも柔らかい音色で安定感がありました。
金管楽器のコラールも、存分な音量で豊かなハーモニーを生み出しており、
力感も感じられるとともに、やはりマエストロ小林の存在の大きさだろうと思いました。
 
名フィルの定期演奏会で、コバケンの指揮でわが祖国は、4度目だそうです。
この指揮者は、取り上げた曲は、すべて完成度を高くしたいタイプなんでしょうか。
 
相変わらず、70歳となられても、炎がたぎるような熱い指揮ぶりは変わらずですね。
まだ長く、見ていたい指揮者です。
おそらく、この指揮者がまたまた「わが祖国」を振っても聴きたいと思うことでしょう。
金曜日にしては、めずらしい「満席」の客にこたえた名演奏でした。
 
マエストロの例の「口上」があったのですが、
「この曲を演奏したあとは、本場のチェコ・フィルでもへとへとになりますから、アンコールはありません。」
今日は、これでというあいさつがあり、マエストロらしく、すべてのお客さんに角度を変えながら
楽団員に礼をさせてお開きとなりました。
 
演奏もさることながら、いつもながら無料で配布されるパンフレットにも感心させられます。
今回は、都市と音楽シリーズ、
1回目は「プラハ」なんですが、プラハの町の写真がパンフの正面を飾っています。
いつも思うのですが、残したくなるパンフレットです(2年前の4月のものからずっとほぞんしてありますが)。
このパンフの解説を見ながら、演奏会を振り返ることもできますし、
これからも立派なパンフをお願いしたいです。
 
次回は、常任指揮者のフィッシャーさんの登場。しかも、ショスタコーヴィチの人気シンフォニーの№5です。
とても楽しみですが、無事いけるといいなあと思っております。
 

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